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  • kenji kawara

脳卒中後のうつ状態の治療はどうすればいいの?

脳卒中後に気分が落ち込み、うつ状態となってしまうことが多いことは知られています。

いったいどれくらいの頻度でうつ状態になってしまい、その時にはどういった治療をすると良いのか、調べてみました。


【Clinical Question】

脳卒中後のうつ状態の治療はどのようにすべきか?


【私的結論】

・脳卒中後のうつ状態に対しては、SNRIでうつ状態の改善を測ることで、ADLや認知機能の改善を期待しながら、将来的な生存率の改善を見込む


[根拠]

・脳卒中後にうつ状態になる患者さんは29%程度と言われており、頻度が高い(1*)

・脳卒中後のうつ状態に対して、抗うつ薬を投与しうつ状態を改善させると生存率が35.7%から67.9%に改善するというランダム化比較試験の研究結果がある(2*)

・治療薬としては、三環系抗うつ薬や選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)などがある(3*)

・大うつ病性障害の治療薬の中では、有効性と副作用の観点から「SNRI」が第一選択である(5*)


【その他、押さえておくべきこと】

・脳卒中後のうつ状態を「予防」する試みは薬物や心理学療法などされてきたが、効果を示した文献に乏しい(4*)

・投薬による脳卒中後のうつ状態の改善によりADLや認知機能が改善する可能性があるが、ADLの改善に関しては否定的なメタアナリシスも存在する(3*)


【感想】

・今回、脳卒中後のうつ状態の頻度は思ったより高く、うつ状態に対する投薬の効果がとても高いことを再認識しました。

・脳卒中後のうつ状態の治療に関しては、成人の「大うつ病性障害」の治療方針に則ることが多いようです。

・また抗うつ薬の使用方針はまとめたいと思いますが、以下が参照先としては良さそうでした。

 ーuptodate"Unipolar major depression in adults: Choosing initial treatment"

 ー日本うつ病学会治療ガイドライン



【参考文献】

1 Ayerbe, Luis, et al. "Natural history, predictors and outcomes of depression after stroke: systematic review and meta-analysis." The British Journal of Psychiatry 202.1 (2013): 14-21.

2* Jorge, Ricardo E., et al. "Mortality and poststroke depression: a placebo-controlled trial of antidepressants." American Journal of Psychiatry 160.10 (2003): 1823-1829.

3* 脳卒中治療ガイドライン2015[追補2019](日本脳卒中学会)

4* uptodate"Complications of stroke: An overview" 2021/4/25取得

5* uptodate"Unipolar major depression in adults: Choosing initial treatment" 2021/4//25取得

6* 日本うつ病学会治療ガイドライン


#脳梗塞 #うつ状態 #抗うつ薬

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