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執筆者の写真kenji kawara

75歳以上の後期高齢者でスタチンは継続するべき?

更新日:2021年4月13日


ポリファーマシーに陥ってしまった高齢患者さんに対して「何か中止できる薬剤はないか?」という観点で処方リストを眺めることはよくあることだと思います。


今回は、「スタチンを継続するべき?どんな時は中止しても良いの?」という疑問を解消するために少し調べてみました。



※実例をもとに、架空の症例提示をしています


【症例】

86歳男性、ADL自立

LDL-C:68mg/dL



【既往歴】

脳梗塞後遺症、糖尿病、腎機能障害、不安定狭心症(post PCI)、持続性心房細動

脂質異常症、便秘症、前立腺肥大症、骨粗しょう症



【内服歴】

リクシアナ、クロピドグレル、ネキシウム、アトルバスタチン

トリクロルメチアジド、スピロノラクトン

グラクティブ、メトグルコ

センノシド、アコファイド、リンゼス、ラキソベロン内用液

シロドシン

エディロールカプセル



【Clinical Question】

75歳以上の後期高齢者でスタチンは継続するべき?



【私的結論】

本患者においては、既往に不安定狭心症があり、余命が十分に期待できることから、二次予防の観点で内服継続による脂質コントロールが望ましい


以下、心血管イベントの予防という観点で調べた結果を記載します


  • 65~74歳では一次予防(新規発症予防)のためにも、二次予防(再発予防)のためにもスタチンを開始or継続する

  • 75歳以上でも二次予防のためには内服を開始or継続することが望ましい

  • 75歳以上での一次予防のために、内服を開始or継続するべきかどうかについて以下の可能性があるが明確なエビデンスには至っていない

    • 75歳以上であっても内服による一次予防の効果を認める可能性

    • もともと継続していた内服を中止することで心血管イベントのリスク上昇の可能性

  • 余命1年程度であれば、服用中のスタチンを中止することは安全



【投与のアルゴリズムと目標値】



※吹田スコアの計算はこちら



【参考文献】




#脂質異常症 #スタチン #ポリファーマシー

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