大酒飲みでほとんど食事をとらないような食生活の場合、ビタミン欠乏症をどのように予防すべきなのでしょうか?
参照すべきガイドラインなどがあるか調べてみました。
※実例をもとに、架空の症例提示をしています
【症例】
80歳男性
アルコール
【既往歴】
高血圧症
巨赤芽球生貧血
【内服歴】
フォリアミン
【Clinical Question】
大酒家のビタミン欠乏症の予防の推奨は?
【私的結論】
・ビタミンB1 100mg/day
・ビタミンB6 2mg/day
・葉酸 400mcg~1mg/day
の補充をすることを推奨とする
【目標の栄養管理】
カロリー:35-40kcal/kg/day
タンパク質:1.2-1.5g/kg/day
【確認すべき検査所見】
●ヘマトクリット値またはヘモグロビンの減少
●異常なアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼとアラニンアミノトランスフェラーゼ
●アルブミンの減少
●葉酸とビタミンB12レベルの低下
●異常な電解質とクレアチニン
●カルシウム、マグネシウム、およびリン酸塩のレベルの低下
【感想】
・大酒家に生じる「ウェルニッケ脳症」などは有名ですが、予防方法はあるのか調べてみました。目立ったガイドラインはなく、今回はuptodateのみの参照となりました。
・やはり、「ビタミンB1」「ビタミンB6」「葉酸」に関しては、予防的に摂取してもらうのが良さそうです。
・そもそも食事で自然と摂取できることが理想的ですから、患者さんとご相談しながら方針を決めることになりそうですね
【参考文献】
uptodate "Nutritional status in patients with sustained heavy alcohol use" 2021/4/23取得
Comments